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事業承継の基礎知識

目次

1. 現状について

1-1 経営者の高齢化
中小企業経営者の年齢のピークは、20年間で47歳から66歳に推移。経営者の高齢化が進み、数十万者の中小企業が事業承継のタイミングを迎えようとしています。多くの中小企業にとって、事業承継は目を背けられない課題となっています。
中小企業経営者年齢の分布
1-2 2025年問題
2025年までに70歳(平均引退年齢)を超える中小企業の経営者は約245万人、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定となっています。現状を放置すると、経営者の高齢化や後継者不在を要因として、中小企業の廃業が急増してしまう恐れがあります。国は、これらマイナス要因によって、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われるという経済損失のリスクを抱えています。
中小企業経営者の2025年における年齢
1-3 事業承継の必要性
事業承継の問題は会社の継続性に直結します。事業承継を放っておくと、自社にとって次のようなデメリットがあり、最終的には廃業も検討しなければならなくなります。
  • 社長に万が一のことがあったときに、事業が止まるリスクがある。
  • 社長の高齢化により投資意欲は低下、成長や改善の阻害要因となる。
  • 取引先や金融機関、従業員が会社の継続性を不安視し、経営に支障をきたす。など
1-4 世代交代の効果
事業承継には明確な期限がないため、日々多忙さに紛れ、対応を後回しにしてしまいがちです。一般的に経営者年齢が上がるほど、投資意欲の低下やリスク回避性向が高まると言われます。経営者が交代した企業や若年の経営者の方が利益率や売上高を向上させており、計画的な事業承継は成長の観点からも重要です。
経営者交代による経常利益率の違い

2. そもそも事業承継とは

2-1 事業承継の定義
事業承継に明確な定義はありませんが、代表者の交代後も事業が円滑に継続されていくように、「事業」をきちんと「承継」すべきです。円滑な事業承継のためには、代表者の交代のみならず、一般的に以下3つの承継が求められます。
  1. 会社の代表権

    必要手続きによって、代表者の立場の交代を行います。

  2. 会社の所有権

    法人であれば株式、個人事業主であれば事業用資産の使用権限を承継します。代表権が承継されていても、所有権の承継がされていなければ、本来の所有者の都合で、事業運営に支障が生まれるリスクが残ります。

  3. 経営力(強み)の承継

    これまで事業が成り立っていた秘訣(強み)や代表者の経営手腕、許認可等が後継者に引き継がれていなければ、会社の継続性が心配されます。

事業承継の定義の図
 【経営力(強み)となるものの例】
経営理念、先代の持つ信用、営業力
許認可、ノウハウ、熟練の技術、財務知識
取引先や従業員との関係性など
2-2 早めの準備の重要性
かつて、日本全体が好景気で企業業績も右肩上がりの時代では、将来の不安が少ない中で、当事者も関係者も「会社は子供が継ぐ」が前提でした。しかし、昨今、経営環境が厳しくなっており「事業そのものが大丈夫か?」「あの後継者で大丈夫か?」がスタートで問われるようになっています。少子化やライフスタイルの多様化もあり、後継者不在、子供が引き継がない時代にもなっています。このため、気づいたときには、後継者が不在、関係者の理解が得られていない、経営状況の悪化等によって、事業承継が手遅れにおけるケースがあります。
2-3 準備に必要な期間
事業承継には以下のような理由で時間(期間)がかかります
  • 会社の業績が良くない場合、そもそも引継ぎ手が現れないため、会社の磨き上げをしようと思うと、経営改善に時間がかかる。
  • 後継者教育に長い時間がかかる。
  • 株式や事業用資産が誰かに渡せる形になるまで、長期間の調整が必要となる。(関係者の同意、分散した株式の収集等)
  • 税金対策が必要な場合や後継者による事業資産の買取資金が必要な場合に相当の準備期間が必要となる。
  • 事業承継の準備では、同時に現経営者の相続対策も考える必要がある.など

国が策定する事業承継のガイドラインでは、準備の目安について以下のように明示されています。
「後継者の育成期間も含めれば、事業承継の準備には 5 年~10 年程度を要することから、平均引退年齢が 70 歳前後であることを踏まえると、60 歳頃には事業承継に向けた準備に着手する必要がある。

現経営者が考える後継者の育成に必要な期間の図

3. 準備承継の流れ

3-1 事業承継ガイドライン
平成28年12月、国は、経営者の高齢化等の進展を受け、事業承継に向けた早期・計画的な準備の重要性や課題への対応策等をまとめた「事業承継ガイドライン」を10年ぶりに見直しました。ガイドラインによると、事業承継の進め方として以下の5ステップが提示されています。
事業承継に向けたステップの図
3-2 事業承継の5ステップ
ステップ 1事業承継に向けた準備の必要性の認識
事業承継の話題は、デリケートな問題として気軽に外部に相談できないとする経営者も少なくありません。事業承継に向けた準備の第一歩として、経営者は⽀援機関に相談することから始めましょう。
ステップ 2経営状況・経営課題等の把握(⾒える化)
次に経営状況や経営資源、事業承継にあたって発生する課題等、現状を正確かつ客観的に把握します。経営者が自社の状況をきちんと理解していなければ、後継者候補と精度の高い話し合いは出来ませんし、承継後、後継者の会社に対する理解が不足しており、問題が発生することもあります。
ステップ 3事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
事業の将来や経営の安定について、後継者候補が懐疑的になる場合があります。承継前に経営改善や承継課題の解決を行い、後継者候補となる者が後を継ぎたくなるような経営状態まで引き上げておくことや、魅力作りが大切です。「磨き上げ」は、士業等専門家や金融機関等の助言を得ることが有益です。
ステップ4-1事業承継計画策定(親族内承継・従業員承継の場合)
具体的に事業承継を進めていくにあたっては、自社や自社を取り巻く状況を整理した上で、いつ、どのように、何を、誰に承継するのかについて、具体的な計画を立案しなければなりません。可能であれば後継者候補と計画を共有しておくことで、当事者間での理解と実効性が高まります。
ステップ4-2マッチングの実施(社外への引継ぎ“M&A”の場合)
M&Aを選択する場合、自力で一連の作業を行うことが困難である場合が多いため、専門的なノウハウを有する仲介機関に相談を行う必要があります。相談の入り口としては、公的機関の事業承継・引継ぎ支援センターを活用することも考えられます。
ステップ 5事業承継の実行/M&Aの実行
ステップ1~4を踏まえ、把握された課題を解消しつつ、事業承継計画やM&A手続き等に沿って代表権の移譲や所有権の移転を実行していきます。税務面や法的な手続きが必要となる場合が多いため、弁護士、税理士、公認会計士等の専門家の協力を仰ぎながら実行することが望ましいとされます。

4. 承継の種類について

4-1 親族に引き継ぐ
親族に引き継ぐイメージ図 もっと詳しく
4-2 従業員に引き継ぐ
従業員に引き継ぐイメージ図 もっと詳しく
4-3 第三者に引き継ぐ
第三者に引き継ぐイメージ図 もっと詳しく
4-4 後継者不在企業の選択肢
後継者不在企業の選択肢イメージ図 もっと詳しく

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